「私、ちゃんと生きてるんだ…。」
「そうよ…。舞梨奈ちゃん、よく頑張ったね…。」
私はうなずいた。
私の意識が戻ったことは特捜班、幼なじみの3人、お兄ちゃんに伝えられた。
私の担当をしてくれる主な救命スタッフは、救命救急センター部長 藤沢先生、上重達明(かみしげ たつあき)先生、水野多恵(みずの たえ)先生、麻衣さん。
それに加え、橋本雅樹(はしもと まさき)先生、主任の井上弥生(いのうえ やよい)さんが時々担当してもらう救命スタッフ。
後から聞いた話だと、真壁はあの時逃走してすぐ捕まったらしい。
だけど、佐野さんの行方は掴めていないらしい。
真壁の共犯者が佐野さんっていうことは私しか知らない。
お兄ちゃんが知ったらどんなに傷付くか…。
佐野さん、今どこにいるの…?
佐野さんから話が聞きたい…。
そう思った。
翌日。
酸素カニューレのみが取れ、少しずつ体調が安定してきた。
そして、HCUの病棟へ移され、個室に入ることになった。
コンコン。
病室のノックがなった。
