「苦しいよな。もう少しの辛抱。時間が経てば落ち着いてくるはずだから。涼也は一旦ご飯とお風呂に行ってるから、俺がいるよ。」
私はうなずく。
お兄ちゃんは私の額に当てているタオルを濡らしてまた当ててくれた。
翌朝。
涼也が体温を測ってくれた。
39.0℃
全然熱が下がらない。
「舞梨奈。なにか飲めそう?1日何も飲んでないからこのままだと脱水症状になっちゃう
よ。」
私は小さくうなずいた。
涼也はマグカップに入れた経口補水液を持ってきてくれた。
私は重い体を起こそうとした。
「起きれる?」
涼也は私の体を起こすのを支えてくれた。
「はい。」
涼也は私にマグカップを渡した。
「ありがとう...。」
まだ依然として息が荒く苦しそうな私の姿を見て、涼也は優しく背中をさすってくれている。
「早く熱下がるといいな。治れ治れ。舞梨奈が元気になりますように。」
涼也がおまじないのように唱えた。
