「あ…。」
私は驚いて声を出せなかった。
2人はお互いの体の掴み合いになった。
そして、涼也は真壁の腕をひねり刃物を遠くの方に投げ捨てた。
その直後、涼也は真壁に顔を殴られた。
「うっ。」
「涼也!」
「舞梨奈、逃げろ!早く逃げろ!」
涼也は言った。
逃げ走ろうとした時、涼也は何発も、お腹や顔、色んな所を真壁に殴られた。
最初は抵抗していた涼也も、だんだんと抵抗しなくなっていった。
知らぬ間に私の瞳から涙が出てくる。
とっさに2人の所へ向かい、真壁を必死に涼也から引き離そうとした。
「もうやめて…涼也が死んじゃう。」
「なんだよ!」
真壁に突き飛ばされた。
「舞梨奈に手を出すなと言っただろ…!」
起き上がった涼也が真壁と再び殴り合いになった。
「舞梨奈、俺はいいから早く逃げろ…!」
涼也を置いて私だけ逃げるなんて出来ないよ…
