「涼也やめてよ…。怪我したらどうするの…。」
「大丈夫。心配するな。」
どこか不安そうな、でも心強い涼也の声に、私はこれ以上返すことが出来なかった。
「舞梨奈には1ミリも触れさせない。」
真壁に強く言った。
「ふん。俺に勝とうなんて、100年早いんだよ。」
不気味な微笑み。
「いい加減にしてよ。私を狙って何がおもしろいの。あなたのせいで、幸せだった日々が全部苦しみに変わった。」
「だからなんだっていうんだ。俺には苦しみとか幸せとかそんなの関係ねぇんだよ。お前の命を奪うことが俺の役目なんだ。」
「今、何言ってるのか分かってんのか?」
涼也が聞いた。
「ああん?舐めた口聞いてんじゃねえよ!」
そして、真壁は刃物を向けたままこっちへ走ってきた。
このままだと涼也が刺されちゃう…
すると、涼也は刃物をかわし、真壁の腕を掴んだ。
