「何言ってんだよ。今日はもう寝てろ。面会時間が終わるまでそばにいるから。」
涼也は優しい笑顔で言った。
「うん。」
夜。スタッフステーション。
「舞梨奈ちゃん、熱下がらないですね。」
水野先生が言った。
「明日で熱が出てから4日目だ。そろそろ舞梨奈ちゃんの体力も限界になってくる頃だっていうのに。」
藤沢先生が言う。
「疲労から来てる熱ですから、解熱剤も効かないですしね。」
上重先生が言った。
「高木。夕方の検温はどんな様子だった?」
「熱は38.9℃でした。まだ呼吸も苦しそうでサチュレーションは85でした。」
麻衣さんが報告した。
「酸素上げた方が良いんじゃないでしょうか?」
上重先生が藤沢先生に聞く。
「いや、今は酸素よりも熱を下げる方が良いかもしれない。熱が下がれば、無理に酸素を上げなくても良くなるし。」
藤沢先生が言った。
