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「キャハハ!ウケるわー!」

2ヶ月前、佳奈子や充希、由香里と、とあるゲームをしていた。

   【イジメゲーム】

今思えば最低な行為。

それを私は…私と三人は、平気でしてたんだ。

「はー、ちょっと雑巾とバケツ持ってきてくんない?」

「了解、みつ。」

はー、というのはあたしのあだ名。

本名は、西条呉羽(サイジョウクレハ)という。

成績さえ良ければあとは何でも自由な高校に通っていて、そこで佳奈子たちと出会って……最初は順調だった。

こんなことを始めたのは、4ヶ月前。

由香里の一言から始まった。

「ヒマだねー」

「なんかおもしろいことないかなぁ?」

「じゃあさ…ちょっとイタズラしてみない?」

そう、最初は単なる''イタズラ''だった。

物を隠して、虫をバックに忍ばせて、魚の水槽に理科室からくすねてきた薬品を入れて…

でも、日を重ねていくうちに楽しくてハマっていった。

そして、どんどん悪質になっていった。

しばらくすると、充希が【イジメゲーム】と呼び始めて、佳奈子たちも気に入ったのか、名前は定着していた。

「キャハハ!やっぱおもしろいわ!」

「反応がウケるっつーの?泣きすぎだし!」

「う……ぅ……なんで、なんで…」

「なんで?面白いからでしょ!」

「はー、水、追加ね!」

「おっけー!」

面白いし、教師は何も言わないし…家と比べて、楽園のような場所だった。