「いいよ、兄。

私はコイツの顔を見たくない。」

1LDKの独り暮らしにしては立派な部屋。

美嘉は自分の部屋で着替えてきたらしい。

制服からグレーのスエットに変わってた。

「え⁇
さっきまで、 "別れたくない" って言って 泣いてたのに⁇」

美嘉の顔がみるみるうちに赤くなっていった。

「煩い‼︎」

「それ、本当⁇」

俺は美嘉をじっと見つめる。

「……そうだけど⁇」

美嘉がそう言う。

「俺だって、美嘉と別れたくねーよ‼︎

今日のことは謝る……もう、こんな真似は2度としない……だから、もう1回……俺の彼女になって。」

「嫌。」

「何で……」