「すみません、俺……そんなこと知らなくて……」

「おい、てめぇ また美嘉のこと泣かせやがって……ただで済むと思うなよ⁇」

……え⁇
"美嘉のこと泣かせやがって" ⁇

「どういうことですか⁇」

バチンー

思いっきり、ビンタされた。

いってぇ……ビンタされた頬がヒリヒリする。

「おい、ふざけんな‼︎」

その様子を見た店員さんが

「お客様……」

と駆け寄ってきた。

俺は財布から諭吉を1枚取り出して、近くにいた女に渡した。

「これで会計済ませといて。
釣りはいらないから。」

頷いたのを見て、俺は店の外に出た。