11年前、私はずっと一人だった。お母さんは私のひとつ下の妹の瑠璃子の習い事などで1日中居なかった。お父さんは私の事など完全に無視で、瑠璃子の事ばかり可愛がっていて、私は家から出してさえもらえない。だから私には友達が居なかった。
 そんなある日、私にもお友達が出来た。それがマー君だ。マー君は、おばあちゃんがくれた初めてのプレゼントで、私はとても嬉しくて毎日マー君と一緒に居た。ご飯を食べる時も、遊ぶ時も、寝るときも。私はマー君が大好きだった。そこで、私はマー君と約束をした。


『ねぇねぇ、マー君。もし、あたちが大きくなったら・・・・結婚しようね。』

『約束よ。せーの・・・ゆ~びきりげ~んま~ん
           うそついたらはりせんぼんの~ます
                        ゆびきった!』




そんな幼い頃の約束・・・・・それを、マー君はずっとずっと忘れなかったんだ・・・。だけど・・・その約束は果たされる事は無かった・・・。私がマー君を捨てたから・・・・・。
 そっか・・・だから約束を破って陸と付き合っていた私を怒ってるのね。約束を忘れてマー君の存在さえも忘れていた私に怒ってるのね・・・・・・。そして・・・・マー君・・・・あなたを捨てた私を怒っているのね・・・・。



【マリチャ…ン…ステナ…イデ…】
『マー君・・・・。』
【ボクト・・・・ズット…イッショニ…イテヨ…】


私はボロボロになったマー君を抱き締めた。


『うん・・・うん。これからはずっと一緒に居ようね・・・。』
【ホントニ…?…ズットイッショニ…イテクレル?】
『うん。ずっと・・・・・よ。』


【…マリチャ…ン…アリガトウ・・・・デモ…ダメダヨ】

『え・・・?』


【キミハ・・・・モウ・・・ボクニハサワレナイカラ…】