始まりは、今までのように4人で公園まで一緒に帰っていた時だった。

「おい。見ろよあれ」
僕はヒロの言う"あれ"に目をやった
そこには、足が悪いのであろう男性が杖をついて歩いていた
「若いのに年寄りみてえだな」
ヒロが言ったその言葉に僕は疑問を抱いた

なぜ、足が悪い人をそのような言い方をするのか
勇姿も類も、ヒロに同感なのか一緒に笑っている
僕には分からない
その日はモヤモヤしたまま家に帰った

次の日も、その男性を見かけた
すると、いきなりヒロがその人の方へ歩き出したかと思うと
肩をわざと思いきりぶつけ、転ばせたのだ
笑いながらこっちに帰ってくるヒロとすれ違うように、僕は男性の元へ駆け寄った
「大丈夫ですか?すみません」
そういい、手を貸した
すると
「おい、幸太!」
とすごい血相のヒロに呼ばれた
「なに、手なんか貸してんだよ」