ファミレスに着くと
すぐ優の座っている席へと向かった。
「待った?」
優はドリンクバーを頼んでいた。
「ううん、全然。」
笑顔で答えてくれる。
グラスには2つの跡が残っていた。
優は私のことがまだ好きなんだろうか?
私は…
「そういえば、今日どうしたの?急にファミレスなんて呼んで。」
私は唐突にそう言った。
作り笑いが苦しい。
「えっ、だって今日は水曜日だよ?久しぶりだけど。」
優のセリフにハッとする。
ああ、そうか。
前は毎週水曜にここに来てたっけ。
最近は私が避けてたせいか、随分ご無沙汰だけど。
そんなことも忘れてたんだ。
忘れるくらい私は優のことを考えていなかったんだ。
「あ、そうだよね、ごめん。」
隠せるわけがない。
こんな歪んだ笑顔で。
「思い出した?」
優は真剣な顔をしていた。
いつも笑っている優の顔に笑顔はない。
恐怖を感じた。
私が答える間もなく優は言う。
「最近ずっと誰のこと考えてるの?俺じゃないよね?もう俺のことどうでもよくなった?」
優の声は震えていた。
その目を私は直視することができなかった。
違うの、幸村さんはただの居候で、好きなんかじゃない。