ソマリ「ホトお嬢様はどうしてずっと部屋から出てきてくれないのですか?」

いつものようにお嬢様の部屋の前に立ってお嬢様と会話をする。初対面の時は顔を見せてくれたが

僕はそれ以来ホトお嬢様の顔を見ていない。 いつもいつも僕は部屋に入れず

ドアを挟んでの会話をする。正直寂しいです・・・。でも、この会話をしないといけないと思っていた。

なぜなら、この会話をする事でお嬢様は健康なのか、お嬢様はちゃんと部屋の中にいるのかが分かる。

その確認をしないと・・・。

ホト 「・・・いつもはそんな質問しないのに。」

不機嫌そうな声でホトお嬢様は言った。

ソマリ「いつも 世間話じゃ、つまらないと思いましてね。」

長い沈黙の後、ホトお嬢様は口を開いた。

ホト 「外の空気は好きじゃない。それだけ」

ホトお嬢様は口を閉じた。失礼します と告げて僕はその場を去った。ホトお嬢様との会話の後は決まって

庭の手入れをする。これも僕の仕事の一つだ。他にも、買い出し・倉庫の管理を任されている。

シャァァァ

庭の草木にジョウロで水を与える。ホースを使わないのは、来客に水をかけてしまう
恐れがあるかららしい。

ガシャン


門の開く音がした。門の方に振り返る。外から金髪の髪をした少年がキャリーバッグを持って入ってきた

僕はその少年に駆け寄った。

ソマリ「おかえりなさい、レイク。」

レイク「ただいま ソマリ。」

彼の名はレイク・ティ・ロップ。レイアの双子のお兄さんだ。大人しい子だけど頼りがいのある方です。

レイクは三日前に届け物を頼まれ 屋敷をあけていたのです。レイクは紙袋を僕に差し出した。

レイク「はい、お土産。」

ソマリ「えっ、良いの?ありがとう。」

僕はレイクから 紙袋を受け取った。開けてみて欲しいと言われて 僕はその場で紙袋を開けてみた。

ソマリ「わぁっ凄い!茶葉だ!!」

紙袋には、オレンジペコの茶葉が入っていた。レイクは僕が紅茶好きなのを覚えていてくれたようだ。

丁度庭の手入れも終わり レイクと屋敷に入る事にした。レイクはメイド長に戻った事を伝えてくると言い

僕はキッチンに向かった。もうすぐ休憩時間なので 早速 紅茶をもらおうとお湯を沸かした。

ポットに茶葉とお湯を注ぎ込む。ほわっと優しい香りが漂う。ティーカップに紅茶を注ぎ、今朝

買い出しの時に買ってきた カップケーキをお皿に乗せた。二つを持ってある場所に向かった。そこは


ソマリ「ホトお嬢様、紅茶と茶菓子を持ってきました。」

休憩時間にも僕はホトお嬢様のもとを訪れる。美味しいものは分け合いたいものです。

ホト 「・・・置いておいてちょうだい。」

ドアの近くにテーブルがあったので その上に置いた。