私はその時聞いた。 「何でなの?亜理紗は皆と同じような格好はしちゃいけないの?」 母は悲しそうに言った。 『もし、ママが強くなって亜理紗を守れるようになったとき…』 この続きの話は忘れている。 ただ、それを聞いた私はとても嬉しかった覚えがある。 でも、そんな私を見て、母は複雑に思っていたんだと思う。 でないと、向こうの世界で『棗』に私を頼む事はなかったと思う。