真夜中の訪問者





「あなたは…」




黒いフードをかぶってはいるけれど、何となく分かった。




そこにいたのは…




「あなたは…、パパ?」





どう考えても、父しか考えられない。




風貌はそっくりなんだから…





しかし、その人は鼻で笑った。




『残念だね。私は棗と同業者。もう名前は覚えていないね。名乗らないといけないならば、所長と呼んでもらおう。』