時渡りを行うこと、それは魔法のちからをもってしても異端であった。魔法でも時を操ることは難しく、時を止めることはできても、その時間に存在しない人間を移動させることは今の技術では不可能である。つまり自分が存在しない過去へ戻ること、また存在の保証のない未来にいこうとするなら、それは死を意味し魔法でほとんどのことがかなえられるこの社会、唯一人が新たな技術として求めることであった。
セレナーデはそれを可能とする存在となる架け橋なのは言うまでもなかろう。時渡りをし過去・現在・未来を常に行き来する存在と“言われている”のだから

「それよりもイケメン多いなここは」
レント,セナ,ヒロキ,カレンは町の中でもさらに賑わいの増す地域に来ていた。
「狩りをしないでよレント,今回はミッション何だから」
セナは笑う。
レントはいわゆるそういうタイプである。しかし仲間や近い人にはあまり興奮・・・訂正発情はしないと自称している。
「まあ、もうする...今回はやめにしておこう」
レントは一瞬何かを漏らしかけたがあからさまにそらした。
「えっ何々?」
カレンはそれを聞き逃さなかったが
「セナ、今日の支部はどこだ?」
事情を知るヒロキが上手くカバーをする。
「えーと、シチリア-アポロニア支部よ、ここから近くで地上とも繋がっている目と鼻の先にあるのはそこしかないし」
セナは察して上手く取り繕った。
「そうね、とりあえず支部に行きましょ、話はそこからね、セレナーデの伝説をまず調べて見ないことにはね」
カレンは納得し支部を目指すことにした。