初めてのキスは2週間前。

 とろりと夏の陽が沈む夕暮れ、ひとりぼっちのオレンジ色図書室、誰にも邪魔されないあたしだけの大切な空間に、ずかずかと土足で入り込んできたヤツに、唇は奪われた。

 …唇だけじゃなく、今は心も。


 あいつを見ると喉が渇く。

 あいつの気配を感じると、膝が震える。


 無理矢理にあたしの唇を奪ったヤツなのに、今は…好き…かもしれない。