「ただいまー」


「おかえりー」



お母さんの声がする。


靴を脱いで家に上がると…



「…ん?」


カラスの羽根みたいに、真っ黒な羽根が床に落ちている。



「お母さん、カラスの羽根落ちてたよー」


拾って、リビングにいるお母さんに見せた。


「ほら!」

「…何も持ってないじゃない」



え?


確かに私は指でカラスの羽根を持っている。



「あるじゃん!ほらこれ!」

「何言ってんの。早く宿題やりなさい」



お母さんは笑いながら台所へ行ってしまった。



あれ?おかしいな…。



………あ!



これ、もしかして、ダイヤの羽根なんじゃ…!?



だからお母さんに見えなかったんだ!



私は急いで階段を上がって、自分の部屋のドアを勢いよく開けた。