一人残された私は、ベンチに座ったまま少しも動かなかった。



さっきのは、確かに天使だった。


本当に天使っているんだ。



でも、天使ということは、悪魔であるダイヤの敵。



さっきサファイアは言ってた。


ダイヤを始末しに来たんだって。



ダイヤを殺しに来たってことだよね…?



そう思った瞬間、身体が震える。



ダイヤ、殺されちゃうの……?


いや、そんなわけないよね?


ダイヤは強いよね?きっと。



この間魔法陣で封じようとしたときだって、結局無事だったもん。


今日だってきっと、急にまた現れるか、家に帰ったらベッドに座ってるかだよね……?



「真珠ちゃん!遅くなってごめんね」


ハッとして顔を上げると、白金先輩が立っていた。



「すごいお店並んでてさ、はい」

「あ、ありがとうございます」



白金先輩からハンバーガーとジュースを受け取った。


「…どうかしたの?」


「い、いえ!なんでも……」



ダイヤは大丈夫、ダイヤは大丈夫。


自分にそう言い聞かせた。