悪魔に取り憑かれました。

「だが観覧車では邪魔できなかったみてーだな」


ダイヤがサファイアをあざ笑うように口角を上げる。


それに対してサファイアはにっこりと笑う。



「いいえ、邪魔しましたよ」


「何を邪魔したってんだよ」


「真珠に《怖い》という感情が芽生えるように誘導しました」


……?


どういうことだろう……?



「真珠、さっき観覧車の中から出られなくて怖かったでしょう?しかし、純はそれを感じ取って真珠を安心させようとした。それによって真珠に幸せを与えたんです」



確かに、観覧車が止まった時は怖かったけど、白金先輩が手を握ってくれた時は嬉しかった。


あれはサファイアが誘導したことだったんだ…。



ダイヤは相変わらずサファイアを睨みつけていた。



「私は純と真珠が出会った頃から、二人が結ばれるように、純を主に見守ってきました。しかし、あるとき真珠には悪魔が取り憑いていることに気づきました。悪魔を始末しないかぎり、二人が結ばれるのは困難でしょう。だから、私はあなたを始末します」



そう言って、サファイアはまたにっこりと笑った。



「…面白え」


ダイヤはニヤッとして立ち上がった。



「やれるもんならやってみろよ」