悪魔に取り憑かれました。

天使はゆっくりと近づいてきて、私たちの前に舞い降りた。



ダイヤと同じくらいの歳、背丈の男の人。


でも服は真っ白で髪は金髪、目は澄んだ青色だった。





「初めまして、天使のサファイアと申します。今日はあなたを始末しに来ました



天使はダイヤを見て、にっこりと笑った。


ダイヤは何も言わずに、天使のサファイアを睨みつける。



「あなたが彼女に取り憑いて不幸にしているのは分かっています。ここ最近、ずっと見てきましたから」


え?

私たちのこと見てたの……?



「てめえか、さっきから俺の邪魔をしてたやつは」

「はい、私ですよ」


ダイヤの邪魔?


どういうこと……?



「ダイヤ、邪魔ってどういうこと?」


「この悪魔は真珠、あなたを不幸にしようと遊園地のあちこちに不幸を仕掛けていたのです」



ダイヤが口を開く前に、サファイアが話し始めた。



「ゴーカートの時は僕が途中で止めなければコーナーでぶつかっているところでしたよ」




そういえば、ゴーカートはぶつかる前に止まったんだっけ。


この人がダイヤの邪魔をしたの?



「ジェットコースターでは私がこの悪魔の魔力を解いていなければ、何回も何回も走り続けていました。コーヒーカップでも同じように回り続けていたことでしょう。今までゴーカートと観覧車の間で何もなかったのは、全部私が彼の邪魔をしていたからです」



確かに、ダイヤにしては不幸の数が少ないとは思った。


それは天使がダイヤを邪魔してたからだったんだ……。