悪魔に取り憑かれました。

私はそっぽを向いた。



「あの黒い服着た男の人カッコよくない?」


…ん?



少し離れたところで、私と同じくらいの女の子2人がダイヤを見て話してる。


「隣の子彼女かなあ」

「妹じゃない?」



どっちも違うっつーの!



「…そういえばダイヤって、何歳なの?」

「よく覚えてない」

「自分の年なのに?」

「人間で言うと20歳くらい?」



20歳。


たしかに私よりは大人に見える。



「悪魔にも寿命ってあるの?」


「あるよ。お前ら程短くねーけど」



…そうなんだ。


いいなー。



「…それより早く死ぬやつもいるけど」


「え?病気とか?」


「さあな」


「天使に始末されたり、ですか?」



…天使?


「…何、天使って」


「俺何も言ってねーんだけど」



………?



目の前に、白い羽根がひらりと舞い落ちる。



何となく上を見上げると……



「あっ!?」


ダイヤも上を見上げる。



びっくりした顔をしている。



そこにいたのは…白い翼の天使だった。