私も白金先輩の手をぎゅっと握って、目をつむって耐えた。



しばらくすると………。



ガタン。



「あ!動いたね」


景色がゆっくりと動き出した。



『観覧車の復旧作業が完了しました。皆様に大変なご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした』



園内放送が聞こえて、ホッとする。



「よかった…」


ふと自分の手を見ると、白金先輩の手としっかり繋がれている。



「ご、ごめんっ!」


白金先輩は急に手をパッと離した。



そして顔を窓に向ける。


…少し赤くなってる感じがする。



「先輩、ありがとうございました」


「うん…」



私も白金先輩に背を向けて、窓の外を見ていた。