「あれ?どうしたのかな?」


白金先輩が窓の外を覗き込む。



「…観覧車の前に、係員の人が集まってる」

「えっ!?」


私も窓の外を見ると、係員ぽい服の色が集まってる。


どうしたんだろう?



『観覧車にお乗りのお客様にお知らせします』


園内放送のようなものが聞こえる。



『申し訳ございません。観覧車がトラブルのため、一時的に運転を止めております。ただいま復旧作業を行っております。ご迷惑をおかけいたします』



え!?


故障ってこと……!?



しばらくここから出られないの……?



「また故障なんてあるんだねー」


白金先輩は不思議そうな顔で窓の外を見てる。



…これは絶対、ダイヤのしわざだ!!


いくら私が超強運でも、運良くてっぺんのときに止まるわけがない!


あいつ今まで大人しいと思ったら………!



窓の外を見る。


全く動かない。


かなり高いところにいる。


そして、降りられない……。



「…真珠ちゃん?」


さっきまで全然なんとも思わなかったのに、ここから出られないと思った瞬間、急に怖くなる。


身体が震える。


涙がじわっと出てきた。



どうしよう、こわい……!



「えっ…?」


白金先輩が黙って私の隣に座った。


びっくりして、白金先輩の顔を見る。



すると、白金先輩はニコッと笑った。



「大丈夫だよ」


そう言って、私の手をそっと握った。


私が怖いの、察してくれたのかな?


白金先輩、やっぱり優しい。


でも……


今度は違う意味でドキドキしてくる…。