悪魔に取り憑かれました。

「あれ!?」


ハンドルが急に固まって動かなくなる。


強い力をかけても全然動かない。



「どうしたの?」

「ハンドルが動かないんです!」


急いでブレーキを踏もうとした。



けれど…もう間に合わない。


カーブが曲がりきれない………!



思わず目をつむる。



………ん?



衝撃がない。



目を開けると、マシンはカーブにぶつかるギリギリで止まっていた。



「真珠ちゃん、よく静かに止まれたね」


白金先輩がびっくりした顔で私を見る。



…ちがう。


私がブレーキ踏んで止まったんじゃない。



「大丈夫ですか!?」


係員のお兄さんが走ってくる。


今度はダイヤじゃなかった。



「すみません、マシンが故障したようです。点検しっかりしたのに変だなあ…」


故障?


これは……ダイヤのしわざ!?



でも…


なんで途中で止まったんだろう?



ダイヤなら絶対ぶつかるように仕組むはずだ。



「真珠ちゃん、他のアトラクション行こっか」

「そ、そうですね!」



疑問を残しつつ、ゴーカートを後にした。