悪魔に取り憑かれました。

「遊園地来たことないんですか!?」


「うん」



私は小さい頃よく家族で来てた。


最近は友達と来ることもあるっけ。



「俺のお母さんイギリス人て前言ったでしょ?お父さんは仕事で世界中飛び回ってる人で、仕事で訪れたイギリスでお母さんと出会って結婚したんだって」

「へー」

「結婚して俺が生まれてからもお父さんは仕事忙しかったから、家族で世界中転々としてたんだ。だから、遊園地行く機会なんて一度もなくて」



そう言って笑う白金先輩の横顔は、なんだか寂しそうに見える。


…そうだったんだ。


白金先輩、きっと行きたいところがあっても、言わずに我慢してたんだろうな。



「だからチケット当たったの嬉しかったんだ。神様からのプレゼントかと思っちゃった」



白金先輩はニコッと笑った。

本当に嬉しそうだな。


初めての遊園地に、私を誘ってくれるなんて…


白金先輩のことどんどん好きになっちゃうな。