時が止まったみたいだった。



そこにいたのは、まさに白馬の王子様。


キレイな顔立ち、プラチナブロンドのサラサラな髪、高い身長。



思わず、見惚れちゃった。



「あ、あの…」

「は、はいっ!」



はっとして返事をすると、王子様は何かを差し出してきた。



「あ!これ…」


王子様の手にあったのは、私のヘアゴム。



「さっきそこで拾ってさ、俺らの前に体育館使ってた子のだろうって思ったんだけど、もしかしてこれさがしに戻ってきたとか?」

「そうです!私のです!よかったあ〜」



見つかったのが嬉しくて、思わず声が出る。


すると、王子様は笑った。



「これ、大事なものなんだね」

「えっ!は、はい!あの、ありがとうございました!」


恥ずかしくなって、私は頭を下げた。



「はい」


王子様はヘアゴムを渡してくれる。



「じゃあそろそろ授業始まるから。またね」



ニコッとして、走っていった。



…見つけた。


ついに見つけた。



あれが私の、白馬の王子様!!!




キーンコーンカーンコーン。



………げっ!


予鈴がなった!!!



私はヘアゴムを握りしめて、ダッシュで教室に戻った。