「早く支度しなきゃ!」



いつも通り髪をとかして、赤い玉のヘアゴムで左側にポニーテールを作る。



「お前、いつもそのゴムつけてるよな」


「いいでしょ別に!」



あんたに言われる筋合いはないと言わんばかりにダイヤをにらむ。


すると…ダイヤは意味深に笑っていた。



「ほら急げ急げ」


「分かってるっつーの!」



イライラしながら、昨日準備しておいた服を着る。


女の子らしい、花柄のスカート。


白金先輩、可愛いって思ってくれるかな…?



「似合わねースカート」


「うるさいってば!!」



クッションを掴んで力いっぱい投げつける。


でも、やっぱり簡単にかわされた。



「ただいまの時刻ー、8時20分でーす」

「うそー!?!?」



慌ててバックの中を確認して、自分の部屋を飛び出した。