悪魔に取り憑かれました。

「なにが?」


なにがって………。



「魔法陣のせいで動けなくなってたじゃん!なんでここにいるの!?」


「あんなヘッタクソな魔法陣に大した力はねえよ」



うっ…!


確かに歪んでるとは思ったけど……。



「つーかそんな命に関わるような魔法陣だったら俺が上に立つわけねーだろ。ただの落書きかと思ったわ」



…確かに、悪魔がわざわざ魔法陣の上に立つなんて危ないこと、するわけがない。



じゃあダイヤが立った時点で、あの魔法陣は落書きと見なされてたの……!?



さっきまであんなにダイヤが心配だったのに、今は怒りがふつふつと…。



「何よっ!こんなことなら定規使ってでもちゃんと描くんだった!あんたなんて…あっ」



言いかけて、ふとダイヤの顔が気になる。


頰に火傷のようなものが。



…あれ?


よく見ると、首にも、手にも。



「ダイヤ、その顔…」


「ん?大したことねーよ」


ダイヤは火傷を手でなでながら答えた。



「いくらヘッタクソな魔法陣でも魔力はあるからな。まあこんなのすぐ…」


「ごめんなさい!」



ダイヤの言葉を遮って、私は頭を思いっきり下げた。



「ごめんなさい、酷いことして…!」



…あ、涙がこぼれる。


ダイヤが無事でよかった。



でも、自分がダイヤに酷いことをしたというのが今更実感できて、ダイヤに申し訳な気持ちでいっぱいになった。



「えっ!?ちょっと…!?」


「ごめん…ごめんなさい……わあああん!」



泣き出すと止まらなくなる。


ダイヤはそんな私を見て焦った顔をしていた。