「どれにしよっかなー」



紙パックの自販機を見る。



「いちごミルクがいいなー」


ダイヤが後ろから言ってくる。



「うっさいわね!」


「俺、いちごミルク飲んだことない」



…え?


悪魔だから、人間の飲み物は飲んだことないのかな?



そういえば、カップケーキもおいしそうに食べてた。



そう思うと、なんだか可哀想になってきた。



ピッ。



いちごミルクがゴトンと落ちてきた。




「お、いちごミルクにしたのか?」

「違うよ!」

ダイヤにいちごミルクを押し付けた。


「私はヨーグルトにする!」



ヨーグルト味を買って振り向くと、ダイヤは驚いた顔でいちごミルクを見つめている。



「…なによ」


ダイヤはゆっくり顔を上げる。


そして、嬉しそうに笑った。



「ありがと」