2人で大した会話もないまま、家に着く。


そのまま私は台所へ向かった。


そして、ラッピングしてあったカップケーキを掴み、自分の部屋に入る。



ダイヤが私のベッドに腰掛けていた。



「…はい」


私はダイヤにカップケーキを差し出した。



「…なにこれ」


「カップケーキ」


「それは分かってるし」


「ダイヤのおかげで上手く作れたから。それにさっき助けてくれたから」



カップケーキが上手く焼けたときから、一つダイヤにあげようと思って、ラッピングしておいた。


さっきの件もあって、余計あげなきゃって思った。



「お前があんまり下手くそで哀れになっただけだし。それにさっきのは助けたんじゃねーって言ってん…」


「うるさいな!いーから食べなさいよ!」



命令のように大声で言うと、ダイヤは黙って袋を開け、カップケーキをかじった。