『ただいま、南館1館のトイレが故障しております。みなさん、しばらく使用しないようにお願いいたします』



放送が聞こえる。


…遅いよ。



トイレを出ると、誰もいなくなっていた。



「お前全く濡れてないな」


この声は…!



振り向くと、ダイヤが立っていた。



「ダイヤ!」

「全く、運の強いやつだな」



ダイヤはやれやれと言った様子で笑う。


目が真っ赤に光った。


そしてそのあと、青く光った。



「…ダイヤ、もしかして今の、あんたが…?」


「ああ、そうだよ」



ダイヤは私を置いて歩いていこうとする。


でも、途中で振り返った。



「あ、別にお前助けたわけじゃねーから。あの女たち不幸にしたら面白そうだなって思っただけだからな」



そう言って、また歩き出す。



…じゃあなんで、私は少しも水掛からなかったの?



私は走ってダイヤについていった。