悪魔に取り憑かれました。

「あっ、おい!」


呼び止める声を無視して、家に向かってダッシュする。



悪魔?


私を不幸にするために取り憑いた?



冗談じゃない!



「ただいまー!」

「おかえ…ちょっと、真珠!?」



家に着くなり、お母さんも素通りして自分の部屋に入る。


…ふう、ここまで来れば、あの悪魔も……



「おかえり」

「ぎゃっ!?」



ベッドに、悪魔が腰掛けていた。


「あ、あんたどうやってここに…」

「悪魔だからな。人間にはできないこともできるさ」



こいつからは、逃げられないってこと…!?



力が抜けて、へなへなっとその場に座り込む。


「…いっ!」



右足首がズキンと痛んだ。



「どうした!?」


悪魔はベッドから立ち上がる。