悪魔に取り憑かれました。

見覚えのある顔、黒い髪、澄んだ青い目。


黒いスーツに身を包んでいる。



その人も、私の顔を凝視してる。



うそ、なんで…?



その人の手を握る手が震える。



こんな、ありえない。



「おーい!早く行くぞー!」



友達らしき人たち数人が遠くからこちらへ声をかける。



「今行く!本当にすみません」


その人は私の手を離して、呼ばれる方へ歩き出した。



でも、立ち止まって振り向き、意地悪そうに笑った。



「ほら行くぞ、真珠」



目が熱くなる。


胸の奥も、かあーっと熱くなる感じがした。



私は目を手で隠して、一緒に歩いた。





きっとこいつは、まだ意地悪そうに笑ってる。






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