悪魔に取り憑かれました。

気づけば、私の手に、キレイな花のブーケが収まっている。


思わず周りを見渡すと、拍手してる。


白金先輩もびっくりしながら、嬉しそうに拍手する。



まさか私のところにブーケが来るなんて…。



びっくりしたけど、やっぱり嬉しかった。



ちょっと赤くなって、ブーケを両手でぎゅっと握る。



…そう言えば、ブーケトスを受け取ったら、次に結婚できるなんて言うよね。



………いや、まさかね!



ぞろぞろと移動する人の波に流されながら歩いていると…。



ドンッ!


誰かとぶつかって、その場に尻餅をついた。



「いたた…」


「ごめんなさい!大丈夫ですか?」



手を伸ばしてきてくれた人の手をそっと掴んで、立たせてもらった。



「いえ、こちらこそ…」


言いかけて、言葉を止めた。



周りの人たちはみんな移動して、教会の中庭に、その人と二人だけになる。



思わず、その人の顔を凝視した。