悪魔に取り憑かれました。

ダイヤは驚いた顔をしたまま、少し固まっていた。

少し経って、また笑った。


今度は、悲しそうに笑った。



「なんだよ、それ。せっかく両想いになれたのに、もう一緒にいられないなんて」



ダイヤの青い目には、うっすら涙が浮かんでいた。



「あー…何で俺、悪魔なんだろ」



ダイヤはまた、私をぎゅっと抱きしめた。


少し震えてる感じがする。



「もし生まれ変われたら、また悪魔はごめんだな」



ダイヤは冗談ぽく笑う。


私は首を振った。



「ううん、ダイヤがこんなに優しいって、きっと神様は知ってるよ。だから、次はきっと、人を幸せにして、自分も幸せになれるような生き物に生まれ変われるはずだよ」

「…そうだといいな」



ダイヤの身体がかすかに、青白く光っている。


蛍のような、優しい光。



「そろそろ本当に、お別れだな」