悪魔に取り憑かれました。

「でも俺は、やっぱり悪魔だったよ」

「え……?」



顔を上げると、ダイヤはまた優しそうに微笑んで、私の顔を撫でた。



「お前のこと守るって決めて、幸せにしてやりたいって思って、もう姿は見せないって決めて、ずっとそうしてきた。なのにどうしても、白金とのことだけは、応援できなかった」


…あ。


そう言えば、私と白金先輩が仲良くなろうとすると、いつも邪魔ばっかりしてきたっけ。



悪魔だから、そうしてるのかと、当時は思ってた。


でも……そうじゃなかったの?




「ほんの一瞬、目を離したとき、お前がヘアゴムを落としたんだ。それで白金と仲良くなって、これが運命ってやつなのかななんて思ったよ。それでも、認めたくなかった」



そうだ、私が白金先輩と仲良くなったのは、ヘアゴムを落としたのがきっかけで…。



「俺はやっぱり、自分勝手な悪魔だよ。お前が誰かと一緒になるのが、嫌で嫌で仕方なくて、散々邪魔したんだから」



ダイヤは少し目を逸らした。

「初めは、小さくてか弱いお前をただ守りたいだけだった。でも、ずっとお前のこと見てきて、気づいたら別の感情があったんだ」


それって、もしかして……。



「もう最後だから、聞き流していいから、聞いてて」



ダイヤは私の目をじっと見た。


私もダイヤをじっと見た。



「俺、お前のこと愛してた」