悪魔に取り憑かれました。

「俺がどうしようとお前には関係ねーだろ!」


「関係なくないわよ!それに、悪魔が人を幸せにしたっていいことなんかひとつも…」



言いかけて、ルビーは口をつぐんだ。


そして、顔をしかめる。



理由はすぐに分かった。


…何か気配がする。



胸がザワッとした。



「おや、こんなところに悪魔が2匹も」



声のする方を見ると、真っ白な翼の生えた、男の天使がいた。


金髪で、目は澄んだ青色。


俺たちを見てにっこり笑った。



「病院で弱っている人間を不幸にする気ですか?さすが悪魔、なんて下劣なんでしょう」

「なんだてめえ、やんのか?」

「やはり下劣だ。そんなことより、あなたあそこの少女に何か関わりを持ちましたね?」


天使が真珠の病室を指差す。


「だったらなんだよ」

「やはりそうでしたか。あの少女に悪魔の匂いを感じましたから。困りますね、悪魔のような邪悪な生き物が人間に関わっては。特に純粋な少女ならなおさら、穢されてしまうでしょう?」

「………あ?」



何言ってんだこいつ。


俺はあいつの病気治したんだぞ…!?