真珠を病院に帰して、しばらく窓の外から様子を伺っていた。


元気に走り回る真珠を見て、真珠の母親も医者も看護師も唖然としている。



アホな顔に思わず笑った。


そのあと真珠は医者に連れてかれて、なにやら検査したようだが、もちろん異常なんてあるわけがない。


医者はさらに唖然として頭を抱えるばかり。


母親は泣きながら真珠に抱きつく。


真珠は無邪気に笑うだけ。



その光景を見ていて、心をくすぐられるような、不思議な気持ちになった。


思わず微笑んでしまうような、不思議な気持ち。


こんな気持ち、なったことがない。



「ダイヤ!!!」


呼ばれて、振り向くとルビーがいた。



なぜか、俺の顔を見て息を飲む。



「なんだよ」


「あんた…目の色が変わってるわよ!」


「…え?」



窓ガラス越しに自分の目を見る。


赤い。



…が、よく見ると、紫がかっている。


赤から青に、少し近づいた。


寿命が縮んだ証拠だ。



「魔力使ってあの子どもの病気治したのね!?」


「どうしようと俺の勝手だろうが」


「あんた…自分が何したか分かってるの!?」



ルビーの言葉に、イラっとする。


俺は俺がやりたいようにしただけ。


こいつには関係ない。