次の日。


明るくなってから、病院に向かった。



真珠の病室の窓の外から様子を伺う。


朝から母親は付きっきりだ。


余命宣告されたあとだから当たり前と言えば当たり前だけど。



昼を過ぎた頃、母親は看護師に呼ばれて出て行った。


よし、今だな。



「真珠」


窓から入ると、真珠はゆっくりこっちに顔を向けた。



「あ……おにーちゃん…」


力なく笑う真珠を見て、胸が締め付けられるような感覚がした。


「今日は…なにして遊ぶ…?」


無理して身体を起こそうとする真珠を止めて、抱きかかえあげた。



「今日はいいところ連れてってやるよ」

「いいとこ?」



真珠を抱きかかえたまま、窓から飛びたした。


「わっ!」



真珠はびっくりして、遠ざかる病院の方をじっと見てる。


少し元気になった感じがした。