ダイヤが私に取り憑いたのは、私が白金先輩と出会った頃。


…のはずだよね?



「…ルビー、もうやめろ」


ダイヤがゆっくり体を起こそうとする。


「ダイヤ!起きちゃダメよ、私があとで魔界につれてってあげるから!」


「いいから」



…あ。


ダイヤの目が目に入る。


ルビーの目が真っ赤なのに対して、ダイヤの目は紫も通り越して、青に近い。



「真珠、悪魔は寿命が長いほど目が真っ赤に光るの。反対に寿命が短くなるに従って青く澄んでいく。今、ダイヤがどういう状況なのか、分かるわよね?」



そんな……!



目から涙が溢れる。


ダイヤが、死んじゃう………!



「さあ、そろそろ帰りましょう。…真珠、あんたが忘れてる記憶の代わりに、ダイヤの記憶を見せてあげる。これでせいぜい苦しみなさい!」



ルビーが私の頭に手をかぶせる。


……あ、目の前がボーッとしてきた。



「真珠…」


ダイヤが呼んでる。


でも、返事ができない。



私はその場に倒れた。


そして、ゆっくり目を閉じた。