「どうして?もしかしたら天使かも…」


「天使は一人の人間に極端に幸せをあげたりしません。平等を重視しますから。清い心の人間のサポートをしたり、時々とびきりの幸せをあげることはありますが、そんなずっと幸せを与え続けるなんてありえません」



天使じゃない?


じゃあやっぱり、ただ運が強かっただけ…?



「では、純のところに戻ります。…あ、あと」


サファイアは飛び上がったあと、私に言った。


「その髪飾り、大事にしなさい」



そう言って、消えた。


…髪飾り?



ああ、このヘアゴムのこと。



なんとなく気になって、髪をほどいてヘアゴムを手に取ってみた。



「…あれ?」


玉の色が変わってる…?


少しずつだから、全然気がつかなかった。



でも、確かに変わってる。



真っ赤だった玉が、紫になってる……。



これ、どういうこと?


それにこの色、なんだか見覚えが……。