教室に入るなり、白金先輩はドアを閉める。


教室にはもちろん誰もいない。



ダイヤも今はいないみたい。



どうしよう…


早く白金先輩から離れなきゃ……



「…真珠ちゃん」


白金先輩の呼びかけに、私はビクッとする。


いつもより真面目な声。



「どうして最近俺のこと避けてるの?」



…やっぱり、気づかれちゃった。


だけど、ほんとのことなんて言えないよ。



「…そんなことないです」


「声かけようとするといつも逃げるよね?」



…ダメだ、もう言い逃れできない。


どうしよう…



「俺何かした?真珠ちゃんに嫌われるようなこと」


「…何もしてないです!」


このままじゃ、白金先輩に誤解されちゃう。



「…そういえば、黒川さん待たせてるんじゃないですか!?」


強引に話を変えた。


でも、白金先輩は首をかしげる。



「…なんのこと?」


「黒川さんとカフェ行くんでしょう!?」


「え?なんの話?」



…え?


黒川さんと二人でカフェ行くんじゃなかったの……?