悪魔に取り憑かれました。

次の日の朝。


やっぱり今日も雨だ。



「いってきまーす」


傘を差して、家を出た。


ダイヤもやっぱりついてくる。



「今日も晴れにしてよ」


「めんどくせーからやだ」



ダイヤと話しながら歩いていると…


「あ!白金せん…」



…白金先輩だけじゃない。


黒川さんも一緒だ。


並んで前を歩いている。



白金先輩は気付いてくれて、振り返った。



「真珠ちゃんおはよ」


にっこり笑ってくれる。


いつもならその笑顔に溶けてるけど、今日はどうしても隣が………。



「あら、真珠ちゃんおはよう」



黒川さんもニコッと笑う。



…なんで一緒に登校してるの!?



「私が越してきたマンション、純くんと一緒のマンションだったの」


そう言って、やっぱりにっこり笑う。



なんで下の名前呼び?


てか、一緒のマンション!?



これじゃあ毎日一緒に登校してくるじゃない!!



固まって立ち尽くしていると、ダイヤに頭をつつかれる。


「なにアホな顔してんだよ」


イラッ!


そりゃアホな顔もしちゃうよ!



「真珠ちゃんも一緒に行こ」



白金先輩はそう言ってくれるけど、この中に入るのって気まずすぎる…。


どうしよう……!



「わっ!」



バシャン。


トラックが水たまりを踏んで、私たちに思い切りかかった。



…ビショビショ。



顔を上げると、白金先輩もビショビショ。


黒川さんは避けたのか、濡れてない。



「…あはは、ビショビショになっちゃったね」


白金先輩が笑う。


すると、私まで笑えてきた。



「あはは、早く学校行ってなんとかしなきゃ」



一緒にビショビショになったことがなんだか嬉しくて、楽しくなってきた。



そして、三人で急いで学校へ向かった。