悪魔に取り憑かれました。

「そろそろ帰るか?」


「あ、そうだね」



私は立ち上がって、辺りを見回してみた。



…あ。


数メートル先に、赤い花が一輪咲いてる。


きれい…。



なんとなく近づきたくなって、私はそっちの方へ歩いて行った。



「真珠?」


一歩一歩、ゆっくりと近づく。


もう少し…



「真珠!!!」


急にダイヤに脇を抱えられる。


ハッとして前を見ると……



…崖………?



10メートルくらいの高さで、下は浅そうな川。


もし落ちてたら…



「………!」


急に怖くなって、ダイヤに抱きつく。


ダイヤはそのまま私を抱いて飛び上がった。



「急にどうしたんだよ。あと少しで落ちるとこだったぞ」


「花があったから…」


「花?そんなのなかったぞ」



………え?



たしかに赤い花が咲いてた。



てかなんで、花なんて取ろうとしたんだろう。



あれ………?



おかしいなと思いつつ、そのままダイヤに抱かれて山を出た。