悪魔に取り憑かれました。

「…ダイヤ、このあたり棒、もしかしてわざと?」


「あ?」



ダイヤは首をかしげる。



「いちいちそんなもん見ねーよ」


「…そっか」



なんとなくそんな気がしたけど、気のせいだったみたい。


それからすぐアイスを食べ終わった。



「ダイヤ、ありがと」


「ああ」



また、目の前の景色を見てみた。


やっぱりきれい。



「いい景色だね」


「ああ、ここよく一人で来てたんだ。空から見るのとはまた違う景色で」



そうだったんだ。


秘密基地みたい。



「今日はお前も連れて来たくなった」



………ん?


思わずダイヤのほうを見る。



相変わらず穏やかな顔で景色を見ていた。


もしかして、私が落ち込んでるの分かって、連れてきてくれたのかな…?



「ダイヤ、ありがとね」


「さっき聞いた」


「それとはまた別」



ダイヤ、なんだかんだで優しいところあるんだよね。


時々、本当に悪魔なのか疑いそうになるくらい。