悪魔に取り憑かれました。

二人にはダイヤの姿は見えていない。


だから、私が二人に向かってうるさいって言ったみたいになってる……。



どうしよう……!!!



「ち、ちがうんです、あのですね、耳元に虫が…」


焦って、カミカミになりながら変な言い訳を言うと、黒川さんが笑った。



「ふふっ。あなたも2年生?」


「あ、私は1年生です。ふ、藤井真珠と申します」



言葉遣いが変になりながらも自己紹介する。


「真珠ちゃんて言うの?可愛い名前!よろしくね、真珠ちゃん!」



そう言ってニコッと笑った。


…あ、いい人そう……。



さっきまでモヤモヤしてたのが一気に吹き飛んだ。



「あ、もしかして、二人はカップル!?」


ドキッ!


違うけど、なんかドキッとする。



「違うよ」


白金先輩、そんなすぐに否定しなくても!!



「あれ、ちがうの?なんだ、邪魔しちゃったかと思って焦っちゃった」


また何事もなかったかのように、会話が始まる。



ああ、白金先輩、やっぱり私のことなんてなんとも思ってないのかな……。