悪魔に取り憑かれました。

「…なるほど」



サファイアはゆっくり立ち上がった。


そして、またダイヤをじっと見る。



「ダイヤ、あなたはやはり私が始末する必要はなさそうですね」



え?

どういうこと………?


わけが分からず、サファイアを見ていると、サファイアは私のほうを向いた。



「真珠、もし困ったことがあったら私を呼びなさい。私はこれからも純を見守っていますから」



そう言って、サファイアは飛び上がったと思ったら、姿が消えた。


…白金先輩のところに戻ったのかな?



「…はー」


ダイヤは深いため息をついて、また横になった。


私に背を向ける。



「ダイヤ、何で急にあんなこと…」

「常々思ってたこと言っただけだし」


そっけない言い方。


本当に、それだけ………?



「サファイア、もうダイヤのこと始末しようとしないって言ってた。よかったね」


「…そうか」



ダイヤは向こうを向いたままだ。



「ダイヤ、聞いてるの?」


立ち上がって、ダイヤの顔を覗き込む。


すると、ダイヤは少しこっちを向いた。



「んだよ。もう少し寝かせてくれよ」



…あれ?


思わず、凝視する。



「ダイヤ……?」


「なんだよ」


「ダイヤ、目の色そんなだったっけ……?」


「え…?」



ダイヤの目は鮮やかな赤色ってイメージだった。


でも今は…


赤と言うより、赤紫に近い気がする。



なんで………?