《ねぇ…拓ちゃんって

彼女いるんでしょ?》



あたしは心の中で

【ナオも…だよね】と

付け加えた。



『南ちゃんから聞いたの

か?まぁな~いるみたい

だな!』


ナオの軽い言い方に

イラっとした。


《じゃあ何で雛と?!》


あたしは

ムキになっていた。


『俺にはわかんねーよ!

何怒ってんだよ?』



《男ってズルい…》



あたしは拓ちゃんとナオ

を重ねていた。



気まずい雰囲気になる。



『今日はタバサ

疲れてるみたいだから

早めに帰るか?』



【ズキッ…

ナオが怒った?】



ナオはさっと席を立ち

会計に向かった。



【あたしが怒らせた?

だって…二股なんて

ズルいじゃん…ょ】



ナオの後ろ姿を

初めて見た気がする。




今日で

ふたりの

終わりを感じた――――