あたしはバイト中

ずっと

ソワソワしていた。



【あと…10分】



あと少しで終わりだ。


あたしはカウンターの

下でレジの釣り銭の

チェックを始めた。



『すみません~』


《はい!》


あたしは立ち上がった。


《ナオ!!!》


『よっ!』


久しぶりに見たナオの顔。



【ドキッ…

4日前と同じだ】



《もう終わるから…》


あたしは小声で話した。



『そうだ!

これ借りたい~』


《えっ?借りるの??》


『すげー

見たかったんだよ~』


それは新作の洋画だった。



【ふぅ~ん~

洋画好きなのかな?】



《会員登録するから

これに書いてね!

あと免許証のコピーを

取らせてもらうね~》


あたしは

登録用紙を渡した。


『おう!わかった』



ナオの字


ナオの住所


ナオの免許証




あたしは

ナオを

どんどん

知っていく――――