「ごめんごめん!だってゆかりん、いつもそそくさで帰るもん。この前だってそうだったし。」


うっ…と心の矢印があたしの心臓にグサッと刺した。

痛いとこついてくるなぁ~・・・
あたしは違う方向を見た。

実は先週、あたしの体力がやばくて先輩に何も言わずに帰ってしまったことがある。
次の日部室に行ったらこっぴどく部長に叱られた。


「まっ、いいか。とりあえず部室に直行‼︎」


沙織はあたしの腕を引っ張り部室へと向かった。





部室に着き沙織は部室のドアを開ける。

「部長はこんにちはー!」

沙織は笑顔で部長に挨拶をした。

「あっ、中西、相良を連れてきたか?」

「連れてきましたよ~」と沙織は言う。

今沙織と話しているのは部長の水前寺東(すいぜんじ あずま)先輩。顔はいいものの性格が残念すぎる。